ひろがりモンステラ

家のモンステラが凄いことになってる社内SEの雑記ブログです。

「PDCAサイクルは時代遅れ」を読んで

はてブで話題になっていた以下の記事を読んでの感想。

gendai.ismedia.jp

 

PDCAは古い

PDCAサイクルと言えば、社会人になってから口酸っぱく言われてきたことであり、今でも社内のあちこちで「PDCAを回せ」と常々言う人々がまだまだいる。決して間違っている訳でもなく、高い品質が求められる失敗の許されない仕事ほどPDCAへの拘りが強いように感じる。

一方で、世の中は目まぐるしく変化しており、自身の担っている仕事などは特に品質よりもスピードが求められる。失敗しても良いから「まずはやってみよう」の発想を持つべきと共に仕事を進めているメンバーの中でも話しており、前述の方がウォーターフォール型に則った仕事の進め方をしているのであれば、我々はアジャイル型で仕事を進めている。

そう言った自身の背景もあり、記事を読む前は、仕事にスピード感を持たすために「とにかくDo」を推し進めるような内容が記述されている(と言うよりも、と考えていたが、少し自分の予想とは異なっていた。

 

FFAプロセス

記事にて提唱されているものは、フィードフォワード(FF) - アクション(A)と言うプロセス。PDCAサイクルは、どちらかと言えば計画(P)に対して実行(D)を行なった結果から、振り返りを行い、点検(C)して改善(A)を図るというもの。記事の中では、PDCAサイクルはフィードバックに基づいており、過去の振り返りより次の行動を指示という前提で表現されていた。

今回提唱されているFFAプロセスというものは、

「過去や現在よりも未来に目を向け、その未来に働きかけることでより多くの価値、成果、幸せを生み出すことができるとする考え方」

であったり、

過去や現状にとらわれてしまいがちな人に対して、コミュニケーションや観察を通して相手の状況を把握し、相手に起きている出来事やそれにともなって体験している感情を受け止めた上で、その人が自分の未来に意識を向けて行動できるように促す技術のこと 

 と表現されていて、

  • 過去を振り返り、
  • 次の行動を指示して、
  • アクションを行う

と言う、フィードバック型ではなく、

  • 未来を見つめ、
  • 次の行動を促して、
  • アクションを行う

という形を指しているとのこと。脳はゴールを追い求めているため、未来に目を向けることが本来実施すべきことらしい。

ただ過去の振り返りを伴わないこのプロセスは、振り返りについては「無意識の調整」ということで定義付けられている。「外出するにあたり雨が降っていれば、いつもよりも早く準備して出発する」と言ったように、自分の中で自然なものになっているということが前提となっている。

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FFAプロセスに感じること

上述にも記載したとおりタイトルだけ読んで、Doに力を入れスピード感をもたせるような記事の内容だったと思ったが、上述の「無意識の振り返り」がある以上、PDCAを頭の中で常態化させ、あとは仕事におけるコミュニケーションの中でフィードフォワード(どうすればそれができるようになるかを考えさせること)を重んじるような内容に思えた。記事末では、フィードバックにおける反省がスピードを落とすので、前を向いてやろうというような記述があったが、あくまでもそれは対人関係における内容であり、個人の中では自然なPDCAが求められているのであろうと考える。

この記事について、PDCAが仕事を遅くしているということについては、ある程度賛同出来る内容だったが、FFAプロセス自体はあまり参考にならない内容であった。今の自分を改めて振り返ると、Doを重んじているがPDCAサイクルを回していることは確か。仕事が遅くならないよう、このサイクルをなるべく小さな円にして回していることを感じた。半年区切りのウォーターフォールモデルのプロジェクトが長期のPDCAなのであれば、アジャイルモデルは短期のPDCAであり、この円を小さくしていくことでスピード感を出して仕事に当たれているんだろうと自分の中で納得できた。得られる結果は小さいが、早く得られる。この考えを自然と重視しているということを改めて実感するきっかけになった。

 

 

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